75. 保険金と医療費控除

医療費を年をまたいで分割払いした時は、その年に支払った分しか医療費控除の対象にならないというこは、以前お話しましたね。
本日は、これに保険金を絡めたお話をします。

── 今日のキーワード ────────────────────────

 ● 一括受取の保険金は支払医療費に合わせて各年に按分する!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

まず、踏まえておいて頂きたいことを2点お話します。

1.年をまたいで分割払いした医療費は、各年において実際に支払った
  部分のみが医療費控除の対象となります。 

2.保険金が支払われた時は、支払った医療費から受け取った保険金を
  控除した金額が、医療費控除の対象となります。


ここで問題となるのが、次のようなケースです。

例)
1.医療費100万円について、平成17年に60万円を支払い、翌年
  に残金40万円を支払った。

2.保険会社から平成17年に、保険金30万円が支払われた。


このように、医療費は分割払い、保険金は一括受取というケースは十分
に考えられます。

このような場合、受け取った保険金は、支払った医療費の額に応じて各
年に按分することになります。

上記の例での各年分の医療費控除額は次のように計算します。

○平成17年度の医療費控除額
 60万円(医療費)-18万円(受取保険金)-10万円(定額控除)

○平成18年度の医療費控除額
 40万円(医療費)-12万円(受取保険金)-10万円(定額控除)